聖書からのメッセージ
「喜びのしらせ 」
伝道師補 村上丈子
「光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。」
ヨハネによる福音書1章5節 (新改訳)
12月に入ると、何だか気ぜわしく感じるのは、冷たい風が人を足早にさせるせいだけではないでしょう。街にはクリスマスを思わせる飾り付けがされて、賑やかになるこの季節、楽しいイベントの一つや二つ、手帳に書き込みたくなる、そんな人も多いでしょう。
教会のクリスマスでは、イエス様がお生まれになったことを喜び、お祝いします。
聖書には、 『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである』 と書かれています。イエス様が生まれたのは、家畜小屋でした。明るくて人がうらやむような場所ではありません。暗くて人が目を背けるような場所と言ってもいいでしょう。ほとんど誰にも知られずに生まれ、家畜が食べる餌を入れるための飼い葉桶の中に寝かされていたイエス様、そんなイエス様に心をとめるクリスマスです。
今、明るく賑やかな季節の中で、手帳に予定がいっぱいだったら安心だけど、空白が続くと不安になってしまう、そんな自分に気づくことはないでしょうか。明るく賑やかな街並みから、ポツンと取り残されたような自分に気づくことはないでしょうか。皆と楽しく過ごしたその後に、空しさを感じることはありませんか。明るく賑やかな季節だからこそ、自分の心の中にポッカリ空いた暗い穴に気づくことがあります。いつもは見て見ぬふりをして目を背けていても、ふとした時に気づく心の穴ボコ、その暗闇は、誰もが持っているものなのではないでしょうか。神様は、そんな、あなたを忘れてはおられません。心の中の暗い穴を愛で満たし、暗闇に希望の光を灯すために、イエス様が来てくださいました。目に見えるものだけに心を奪われて、神様を忘れてしまったような世の中に来てくださったのがイエス様です。心に空いた暗い穴は、人が神様を忘れてしまったために空いた穴、暗闇なのではないでしょうか。その穴を満たすことができるのは神様だけです。その暗闇に光をもたらすのは神様だけです。
イエス様のお誕生に招かれたのは誰だったでしょうか。羊飼いです。羊飼いは、当時のイスラエルでは社会から疎まれているような存在でした。そんな羊飼いが招かれたのです。いつも人から褒められたり、羨ましがられる、そんな存在でいなければならないということはありません。神様は「そのままで来なさい」と招いてくださいます。教会のクリスマスでは、暗くて、人が目を背けるような場所でお生まれになったイエス様に心を向け、イエス様のお誕生を喜び、お祝いします。そのままのあなたで、どうぞお越しください。
クリスマスおめでとうございます。皆様に、神様からの愛と希望が届きますように。